映画『おやすみなさいを言いたくて』を観た感想!主人公に対する尊敬と軽蔑!

どうも、ちゅうたです。

 

映画『おやすみなさいを言いたくて』を観ました。

 

 

物語は世界中の紛争地帯を飛び回る、女性報道カメラマンの姿を描くヒューマンドラマです。

 

ショッキングな内容と美しい自然の描写が対照的で印象に残る映画でした。主役の女性カメラマンを演じるのはジュリエット・ビノシュ。

 

じつは、彼女の存在はこの映画を観るまでまったく知らなかったのですが、アカデミー助演女優賞を受賞してたんですね。ぼくはまだ観てないのですが『イングリッシュ・ペイシェント』という映画で。

 

オスカー俳優だったとは。。。。この映画で見せた迫真の演技にも納得です。

 

 

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キャスト・スタッフ

レベッカ ー (ジュリエット・ビノシュ)

マーカス - (ニコライ・コスタ―・ワルド―)

ステフ  - (ローリン・キャニー)

リサ   - (エイドリアナ・クレイマー・カーティス)

 

監督   - エリック・ポッペ

2013年  ノルウェー・スウェーデン・アイルランド合作

 

あらすじ・ネタバレ

 

アイルランド人の女性カメラマンのレベッカはアフガニスタンで現地の女性の服を身にまとい自爆テロ組織の密着取材をしていた。

 

一人の女性が裸で身を清め化粧を施されている。これから自爆テロに向かうため、体中に爆弾を巻きつけられる女性。レベッカは夢中でシャッターを切っている。周りには女性の家族らしき人が悲しみながら最後の別れを惜しんでいる。

 

車に乗り込む女性たちに同行を願い出て許可を得るレベッカ。車内でも撮影を続けるレベッカ。車が大勢の市民であふれかえる広場に入ったところで、車を降りて車外から女性の写真を撮るレベッカの姿を、不審に思った警察官が近づいてくる。

 

車内を捜索する警察官。。。女性の体の爆弾に気付いたのか、走り去ろうとする警察官。レベッカは車の周りにいる一般市民に「爆弾よ!!!早く逃げて!!!」と大声で叫ぶ!周りにいた女性や子供たちが逃げ惑う中、爆弾が爆発した!!

爆風に飛ばされるレベッカ。レベッカのカメラも血に染まる。しばらく気を失ったあと、再び立ち上がったレベッカは傷つき倒れた人々をカメラに収めようと必死でシャッターを切る。が、ついに力尽きて倒れてしまう。

 

気がつくと病院のベッド。目の前には夫のマーカスがいた。レベッカは瀕死の重傷を負いドバイの病院に運ばれていたのだ。二人で子供たちの待つアイルランドに帰ってきた。出迎える子供たち。母親の帰りに喜びはしゃぐ幼いリサ。リサとは対照的に、感情を押し殺したように静かに出迎えるステフ。年頃のステフは母親の生死を心配する日常に傷つき疲れ果てていた。

 

そんなステフの心の傷を心配したマーカスはレベッカとの別れを真剣に考えるようになっていた。深く傷付いた家族の気持ちを知ったレベッカは、危険な仕事からは足を洗うとマーカスに誓う。仕事仲間のジェシカにアフガニスタンでの自爆テロの写真を送り「これが最後の仕事よ。これからは家族と共に過ごすわ」そう告げる。

 

初めは半信半疑だったマーカスも次第にレベッカの言葉を信じるようになって、家族で幸せなひと時を過ごしていた。

 

マーカスとその友人たちとも交流するレベッカだが、危険な紛争地域での活動で、人との付き合い方を忘れてしまったレベッカは、なかなか打ち解けることも出来ずにいた。

 

そんなある日、ステフが学校の研究課題でアフリカの事を調べていた。レベッカにアフリカのコンゴでの難民キャンプの話を聞くうちに母親の仕事に理解を示すようになっていく。ステフの研究に対する熱意を知ったレベッカは資料の沢山そろったところにステフを案内する。そこで偶然に仕事仲間のスティグと再会する。

 

スティグから「ケニアで難民キャンプの取材をしてほしい。」と依頼されるレベッカ。「もう仕事はやめたの」一度はそう断ったが、現在のケニアは治安も安全でステフの研究のこともあって、ステフと共にケニアの難民キャンプ取材を引き受ける。

 

ケニアのカクマ難民キャンプでステフと共に取材を続けるレベッカ。母親と行動を共にしカメラで現地の子供たちを撮影するうちにステフはレベッカと心を通わせていく。

 

翌日難民キャンプで引き続き取材をしてる最中に武装した民兵がキャンプを襲撃してきた!安全だと思っていた難民キャンプは一気に緊張状態に。「早くここから脱出するんだ」そう言ってスティグが用意した車にステフを載せて「あとはお願い!すぐに合流するから」そう言い残し再び武装勢力に襲撃されているキャンプに戻るレベッカ!

 

泣きわめくステフを振り切ってレベッカはカメラのシャッターを切り続ける。民兵によって次々に殺害されていく難民を身を潜めながらひたすらシャッターを切り続けるレベッカ。

 

 

しばらくして軍が民兵を鎮圧し無事にステフたちのいるベースキャンプに戻ったレベッカ。自分を置き去りにし、またもや危険を顧みない行動をとったレベッカを許せないステフ。「ごめんない。2度とあんなことしないわ。」そう言って許しをこうレベッカ。ステフはこの事はパパに話さないでとレベッカに釘をさす。

 

 

数日後、自宅に戻った二人をマーカスとリサが出迎える。

 

 

様子のおかしいステフを気にかけるマーカス。再び心を閉ざすステフと話をしようと部屋に入るレベッカ。ステフの撮ったケニアでの写真を見るレベッカ。すると最後にキャンプが襲撃された時の動画が入っていた。泣いて静止するステフを置き去りにしてキャンプに戻るレベッカの姿を捉えた映像。

 

その時偶然、マーカスが入ってきた。その映像を観て困惑するマーカス。「これは一体、どういうことだ!!」

 

「こめんなさい!もう二度としないわ!許して!」レベッカは許しを乞うが、マーカスは「お前は臭い!死の臭いがする!ここから出て行け!」そう言ってレベッカを家から叩き出した。

 

 

翌日、学校帰りのステフに謝りに行くが「ママが死んだら、みんなで悲しんでそれでおしまいね」そう突き放されるレベッカ。

 

 

数日後、再びアフガニスタンに向かうために空港に行くレベッカ。ジェシカからもう一度カブールでの取材を依頼されたのだ。一度は搭乗しようとするが、思いとどまり引き返すことに。。「このあいだのことは本気じゃなかった」そうステフから留守番メッセージが入っていたのだ。学校でのアフリカ研究の発表会があるので見に来て欲しいと。

 

 

学校の発表会場に入るレベッカ。そこではステフがレベッカの仕事の話をしていた。「母とケニアの難民キャンプに行きました。母の職業は写真家です。問題のある紛争地域で見捨てられた子供達や苦しむ市民を取材し、撮影して世界の人たちにそのことを伝えようとしています」スクリーンにはステフが撮影した写真が投影されます。

 

「。。。偶然キャンプにいる時に戦闘がありました。。。。私を必死で守りながらも母は写真を撮り続けました。。。でも、いくら撮っても十分ではないんです。。。。だから誰かが撮り続けていかなくてはいけなんいです。。。。それが私の母の仕事なんです。。。。あの子供ちは母を必要としているんです。。。私以上に。。。」

 

会場からは拍手が鳴り響いた。

 

 

そう、ステフは本当はレベッカの仕事を理解し誇りに思っていたのだ。

 

その夜、家族に別れを伝えに自宅に戻るレベッカ。

 

 

再びアフガニスタンのカブールで自爆テロ組織に密着取材をするレベッカ。するとシャッターを切る手が止まった!!!なんと、目の前で爆弾を巻かれているのは、子供なのだ。ステフと同じ年頃の女の子だ。あまりの衝撃でカメラを向けることも出来なくなるレベッカ!隣にいる母親らしき女性に「止めて、止めるのよ」と言うが女性はうなだれるだけ。

 

何度もカメラを向けるもやはりシャッターを切ることができない。どうすることも出来ず、車に乗せられて連れていかれる少女をただ茫然と眺め膝まずくレベッカ。。。

感想

 

紛争地域を飛びまわって命がけで取材する女性カメラマンの姿、映画のテーマは暗く重いです。それとは対照的にアイルランドの大自然の映像が本当にキレイで映画の重いテーマを和らげてくれます。

 

途中から家族と過ごす海岸沿いの自宅での日常は理想の生活ですね。優しい夫と子供達、何不自由ない暮らしで幸せ感満載。でも、残念ながら主人公レベッカの心はここにはない。レベッカの頭の中はここでの幸せな生活ではなく、紛争地域で苦しむ市民や子供達を取材する事だけに向けられている。

 

一度は家族のために生きる事を決意するが、やっぱり生まれついてのジャーナリスト。娘のステフの安全は人に押し付けてでも、取材を優先してしまう。。。悲しい現実ですね。

 

確かに彼女の使命感や行動は立派だろうし、彼女のようなジャーナリストがいるから、映画に出てくるような悲惨な現実が世に知れ渡るというのも事実でしょう。

 

ただ、家族、特に子供たちにとったら、いつ母親が死ぬかもしれないという恐怖は地獄以外のなにものでもないでしょう。年頃のステフの心中を察したらかわいそうで、かわいそうで。。。

 

やっぱり母親としては完全に失格ですね。写真家であれ、なんであれ、子供たちの母親ですからね。もし自分の嫁さんがレベッカやったらと思ったら間違いなく離婚です。いや、まずは結婚すらしませんが。映画観ながらこんなこと考えてました。

 

とはいえ、映画は緊張感もあり見応えもあり、なかなかよかったです。主演のジュリエット・ビノシュ、いい女優ですね。ただこの映画を観てる限りは女優というより男に近いような。。。紛争地域で汗と埃にまみれて取材するカメラマンということで敢えてそういう演出をしてるのでしょうが、見事なまでに狙い通り女性を捨ててます。

 

少なくともぼくにはそう映りました。

 

あとステフ役のローリン・キャニーの演技もよかったですね。多感な年頃の娘役、危険な仕事をする母への複雑な思いを、少ないセリフの中でうまく表現していました。

 

 

最後に、世界の紛争地域で危険を顧みず命がけの取材をするジャーナリストに敬意を表します。

 

世界中の紛争地域の孤児や難民に比べたら、ぼくらは本当に恵まれているなってつくづく思います。ぼくらの子共と変わらない子たちが自爆テロや兵士になって死んでいってると思ったら本当に心が痛みます。

 

では、最後まで読んでいただきおおきにぃ。

 

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